結論から言うと、私は18年間「英語をやる」と言い続けて、一度も再開しませんでした。
同じ時期に、同じ家で、妻は始めています。しかも16か月続いた。
差がついたのは、能力でも時間でもありません。最初の1手が違っただけ。この記事に書くのは、うちのLINEに残っている日付と、そこから見えた1つの分かれ道です。
※これは資格や学習法をおすすめする記事ではありません。うちで起きたことの記録です。
私は、やらなかったわけではない
先に断っておくと、まったくやってこなかったわけではありません。
2006年、大学を1年休学して語学留学に行きました。かかった費用は460万円です。
だから「英語をやったことがない人の話」ではないんです。むしろ逆で、一度は本気でやった人間が、そのあと18年再開しなかった話になります。
そのほうが、たぶん多い。ゼロから始める人より、「昔やった」人のほうが動きにくいんじゃないでしょうか。
2020年4月7日、目標に書いた
在宅勤務が始まった年です。妻とLINEで、その年の目標について話しています。
私が送った文面が残っています。
「① 英語が話せるようになること
② 稼ぐ力をつけること!」
順番として、1番目に英語を置いています。このときの本気度は、たぶん本物でした。
同じ月に、妻は登録している
その1週間前、3月31日。妻からこう来ています。
「わたし、帰ったらオンライン英会話登録する」
そして2日後の4月2日。
「オンライン英会話おもしろす」
登録から初回まで、2日。ここが全部です。
そこから先は、LINEがほぼ時間割になります。「2時半から」「7時半から」「明日は朝6時から」。1年半のあいだに、80回以上その予定が流れています。
私はそのあいだ、1回も予約していません。
💡 ここが分かれ道でした。妻は「登録する」から始めて、私は「やる」から始めた。似ているようで、まったく違います。ジムに例えると分かりやすい。入会手続きをした人と、「痩せよう」と言った人の差です。前者は次の行動が自動的に決まりますが、後者は毎朝ゼロから決め直すことになります。
3年後、私は妻に頼んでいる
2023年5月15日の私のメッセージです。
「やっぱ、2ヶ月フルコミットしてくれ」
オンライン英会話のことです。自分がやるとは書いていません。妻に頼んでいます。
読み返すと、なかなかのものだと思いました。やりたい気持ちはあるのに、主語が自分から外れている。
たぶん、このときの私は「家の中に英語ができる人がいればいい」という形に、無意識で着地していました。目標を人に外注していたわけです。
2024年、職務経歴書に16年前の数字を書いた
2024年7月3日。転職活動で職務経歴書を作っていたときのメッセージです。
「とりあえず、TOEIC欄は2008年に750点取ったって書いとくわ笑」
16年前の数字を、そのまま持ち出しています。
ここは正直に書いておきます。実際に何点だったのか、私は覚えていません。スコアの記録も手元にない。留学の前後で点数がほとんど動かなかったことは語学留学の記事に書きましたが、この2024年のメッセージに出てくる数字が正しいかどうかは、確かめられませんでした。
このとき私は40歳手前でした。16年、更新していない。「笑」がついているのは、自分でも分かっていたからだと思います。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2006年 | 語学留学(費用460万円) |
| 2020年4月 | その年の目標の1番目に「英語」と書く |
| 2020年4月〜2021年7月 | 妻がオンライン英会話を継続。予定の連絡が80回以上 |
| 2023年5月 | 妻に「2か月フルコミットして」と頼む |
| 2024年7月 | 職務経歴書に2008年の数字を記載 |
| 2025年9月 | 「オンライン英会話やるか」と自分から言う |
16年前の数字を書けてしまうこと自体が、問題でした。書けるから、更新しなくても困らない。困らないから、また1年が過ぎます。
昔やったことがある人ほど、ここで詰まると思っています。ゼロの人には「今の実力」しか材料がありません。でも一度やった人には、過去の実績という材料がある。それで説明が済んでしまう。
💡 賞状を壁に貼ったまま、その競技をやめている状態に近い。貼ってあるあいだは、なんとなく現役に見えます。
2025年9月10日、あと一歩まで行った
去年の9月です。仕事の合間に、私から送っています。
「オンライン英会話やるか」
(サービスのリンク)
「体験無料や」
無料体験のリンクまで貼っています。ここまで来た。
その30分後、私はこう書いています。
「せっかく時間とお金使うし、ちょいと調べてからやろ!」
それ以降、うちのLINEに英語学習の話は出てきません。まもなく1年が経ちます。
「調べてから」は、正しい言葉です。無駄遣いを避けたい気持ちも本物でした。でも、この一言が入った瞬間に、期限がなくなった。
続いた人のほうを、もう少し見る
ここで、うまくいった側の記録も置いておきます。妻がどうやって16か月もたせたかです。
- 予定を先に押さえていた……「2時半から」「7時半から」。空いた時間にやるのではなく、時間を先に取っている
- 家族に言っていた……うるさくしないでほしい、という連絡が何度も来ている。周りを巻き込むと、やめにくくなる
- 感想を書いていた……「急に過去形がでてきました!」「英語がスラスラよめてる自分に感激」。進んだ実感が残る
- 1回が短い……1回25分。夕方の予定のあいだに入る長さ
特別なことはひとつもありません。やっているのは、予約を入れて、その時間に座るだけ。
「調べてから」が、いちばん強いブレーキだった
18年ぶんの記録を並べて、いちばんはっきり出たのがここです。
私を止めたのは、忙しさでも、お金でもありません。もっと良い選び方があるはずだ、という気持ちでした。
比較サイトを開いた時点で、その日は終わります。
妻がやったのは逆です。1社決めて、登録して、2日後に話した。良いサービスかどうかは、話してから判断している。
💡 買い物と同じ順番でやろうとすると、学習はだいたい止まります。冷蔵庫なら、比べてから買うのが正解です。10年使うし、買い直せない。でもオンライン英会話は1回25分で、やめるのも自由。比較にかける時間のほうが、体験1回より高くつきます。
やる側に回るための、5つのやり方
ここからは、使える形にしておきます。私はまだ再開していない側の人間です。その前提で読んでください。
| やり方 | 理由 |
|---|---|
| 「やる」ではなく「登録する」を目標に書く | やるは状態、登録は行動。行動だけがカレンダーに乗る |
| 比較は30分で打ち切る | 選定の質より、開始の早さが効く。合わなければ変えればいい |
| 無料体験を見つけたら、その日のうちに予約する | 「調べてから」を挟むと、期限が消える |
| 予定を人に見える場所に置く | うちの場合、LINEに書いたことで継続が可視化された |
| 過去の実績を、現在の実力と混ぜない | 16年前の点数は、今の自分の説明にならない |
いちばん効くのは、2行目だと思っています。
選ぶ作業は、やっている感じがするから厄介なんです。タブを10個開いて比べていると、その日は前に進んだ気になる。でも実際には、25分の会話が1回も発生していません。
そして、これを書いている今も、私はまだ登録していません。書いた以上は、そろそろ体験を1回受けてみようと思っています。
※この記事は、わが家のLINEに残っていた記録をもとにしています。家族の名前、利用したサービス名は書いていません。学習効果や費用対効果を保証するものではありません。
2006年の語学留学の費用については語学留学に460万円かかった話に書いています。

