結論から言うと、Web制作を勉強して、いちばん効いたのは提案書でした。
コードではありません。
2020年7月10日、私は妻にこう送っています。
「プログラミングスキル:2割
マーケティング/営業力:8割」
「これを養うための、下準備や!!!」
学ぶ前に、この配分を決めていました。そして1か月半後、実際にそのとおりになります。
この記事に書くのは、その配分でやってみて、何が起きたかです。私はエンジニアではありません。会社員をやりながら、副業として1年やっただけの人間です。
何を、どの順番でやったか
2020年、在宅勤務が始まった年でした。私は会社員をしながら、朝と通勤と夜にWeb制作を勉強しています。
流れはこうでした。
| 時期 | やったこと |
|---|---|
| 6月 | 学習サイトで、HTMLとCSSをやり直す |
| 7月 | メンターがつく形式に切り替える |
| 8月上旬 | WordPressを進めながら、提案書を作り始める |
| 8月13日 | 初めての提案書に2時間 |
| 8月14日 | 2件目を作成、内容を練り直す |
| 8月20日 | 制作1件の問い合わせ |
| 8月25日 | メンター契約を解約 |
技術の勉強を終えてから営業を始めた、のではありません。8月は、テキストと提案書を同じ日に進めています。
提案書を、初めて作った日
2020年8月13日の記録です。
「今日は、カフェで、、、
✔︎目標ページまでWordPressを進める
✔︎提案書作成
終わるまで帰らんぞ!!」
そして、その日の13時15分。
「初回だったから時間かかったけど、2時間で簡単な提案書を作った」
2時間。このとき私は、Web制作の技術についてはまだ初心者です。
翌日には2件目を作り、こう書いています。
「けっこう、提案書ブラッシュアップかけた!」
💡 ここが分かれ目だったと思っています。技術の勉強は、終わりが見えません。やってもやっても、次の言語や次のフレームワークが出てきます。提案書は1日で形になる。山登りと料理の違いに近い。山は登り切るまで景色が変わりませんが、料理は1品できれば、その日に食卓に出せます。
1週間後に、問い合わせが来た
8月20日の朝。
「制作1件、受注確度高めの問い合わせあり!!」
そして同じ日の昼。
「LPデザインやライティングもお任せしてよいですか、ときた」
この一言が、全部だったと思っています。
聞かれたのは、コードのことではない。デザインと、文章です。
つまり相手が求めていたのは、「作れる人」ではなく「まるごと引き受けてくれる人」でした。
技術力を上げても、この質問には答えられません。答えられるのは、提案の幅を持っている人です。
それでも1件では、まだ何も分かりません。この記事に書いているのは、うまくいった1件と、その前後のことだけ。案件が続いたかどうか、収入がいくらになったかは、この年の話ではありません。
メンターを、そこで解約した
8月25日の記録です。
「メンター解約完了!!
ただ、今後もぜひ一緒に仕事したいと言ったら、ぼくもそう思ってました! と言っていただけた」
問い合わせが来た5日後に、教わるのをやめています。
これは「もう学ぶことがない」という意味ではありません。逆です。残りは、案件をやりながらでないと学べないと判断しました。
8月6日には、こう書いていました。
「と、メンターへ泣き付く始末や」
分からないことだらけでした。それでも解約したのは、時間の使い先を変えたかったからです。
「コバンザメ戦法」と書いていた
2020年8月31日の記録に、こうあります。
「営業もSNS運用も、プログラミングも全部、コバンザメ戦法や!!」
自分でつけた名前です。意味は、すでにうまくいっている人のやり方に、そのままくっつくということでした。
- 提案書……テンプレートを買って、そこに自分の言葉を入れた
- LP……有料のテンプレートを使った(8月24日「昨日買った、LPテンプレ優良や!!」)
- 学習……順番を自分で組まず、メンターの出す順にやった
ゼロから作っていません。
これは、独学で挫折する人と、自分を分けた点だと思っています。ゼロから理解しようとすると、動き出すまでが長い。
💡 料理でいえば、レシピどおりに1回作ってから、味を調整するやり方です。最初から自分の配合で作ろうとすると、失敗の原因が分かりません。まず再現、それから改造。
8月に何をしていたか、日付で見る
この時期のやりとりを、日付順に並べておきます。技術と営業が、同じ週の中で行き来しているのが分かると思います。
| 日 | 技術 | 営業 |
|---|---|---|
| 8月6日 | メンターに質問(「泣き付く始末」と書いている) | — |
| 8月13日 | WordPressを進める | 初めての提案書を2時間で作成 |
| 8月14日 | テキストを終える | 2件目を作成、内容を練り直す |
| 8月17日 | — | LPの資料を取り寄せる |
| 8月20日 | — | 問い合わせ1件。追加提案を送る |
| 8月24日 | LPテンプレートを購入 | — |
| 8月25日 | メンター解約 | — |
「基礎が固まってから営業する」をやっていません。
固まる日は来ないと思っていました。先に外に出しておいて、返ってきたものに合わせて勉強するほうが早い。そう決めていたので、こういう並びになっています。
工数を数える前に、見積もりを出していた
うまくいった話ばかり書いたので、その先を書きます。
打ち合わせで話が広がったあと、9月12日に私はこう気づきました。
「よくよくみたら、(この額で)おれ見積もり出してたんだよねー」
「委託できねー。涙」
先に金額を出していたので、人に手伝ってもらえる額ではなくなっていました。
作業がどれくらいかかるかを積む前に、金額のほうを先に言ってしまった。しかもそのあとで話が大きくなっている。安く出した見積もりで、増えた作業を全部自分で抱えることになりました。
さらに、私が無料で巻き取っていた工程がありました。画面の設計図をつくる作業です。妻から「それは別でお金を取るのが普通だと聞いた」と言われて、初めて考えています。
9月16日、私はこう書きました。
「工数もう一度、洗い出さなあかんな」
そして9月25日。
「明日からは、しっかり工数計算します!」
受けたあとで、数え直しています。提案書は書けるようになったのに、値段のつけ方は誰にも習っていませんでした。
💡 引っ越しの見積もりと同じです。荷物の量を数えてから金額を出すのが順番で、逆にはできない。逆にやると、あとから来た荷物はぜんぶ自分で運ぶことになります。
その案件は、続きませんでした
ここは、はっきり書いておきます。
8月に問い合わせが来て、受注して、この記事はそこまでを書いてきました。ただ、その先がある。
10月6日、先方から連絡が来ました。以前に頼んでいたデザイナーへ戻す、という内容でした。
同じ日、私はこう書いています。
「まあ、あとは様子を見てみよう。」
「こじらせてしまったのは、反省だな。。」
自分でこじらせた、と書いています。何をどうこじらせたのかまでは書き残していないので、ここでは説明できません。
分かるのは、初めて受けた案件が2か月ほどで手を離れた、ということだけ。提案書で入口は作れました。入ったあとを続ける力は、そのときの私にありませんでした。
💡 初めて客を持った営業に似ています。取るための練習はしても、続けるための練習はしていない。取ることと続けることは、別の技術でした。
やってみて、配分は合っていたか
最初に置いた「2割:8割」は、おおむね合っていたというのが今の感想です。
ただし、2割の中身が思っていたのと違いました。
必要だったのは、コードを書く力よりも、「これはできる、これはできない」を正しく言える力でした。相手に説明できないと、受けられる仕事の範囲が決まりません。
そして8割のほうは、営業というより「翻訳」でした。相手の「なんかいい感じにしたい」を、具体的な作業に置き換える仕事。
ここを提案書がやってくれます。
これから学ぶ人へ、5つの順番
ここからは、使える形にしておきます。私は1年やって、会社を辞めなかった側の人間。その前提で読んでください。
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 基礎を、期限を切って一度通す | 終わりを決めないと、ここで止まる |
| 2 | 提案書のテンプレートを手に入れる | 買ってよい。ゼロから作らない |
| 3 | 架空の相手に、1件書いてみる | 初回は2時間かかる。2回目からは早い |
| 4 | 問い合わせが来る場所に、それを置く | 作っただけでは何も起きない |
| 5 | 受けたら、教わるのをやめて現場で覚える | 分からないまま進むほうが、速い場面がある |
いちばん効くのは、3行目。
提案書を書くと、自分に何ができないかが分かります。技術の勉強では、これが分かりません。テキストが増やすのは「できること」だけ。
そして、できないことが分かった状態で調べると、勉強の速度が変わる。目的が具体的になるからです。
もうひとつ。2行目のテンプレートを買うことに、抵抗がある人がいると思います。私もありました。自分で作らないと身につかない気がする。
でも、作れるようになることと、仕事が来ることは別でした。テンプレートで来た問い合わせも、問い合わせです。中身で応えられれば、出どころは関係ありません。
※この記事は、私自身の2020年の記録です。利用したサービス名、メンターの名前、案件の相手先は書いていません。副業の収入を保証するものではありません。成果は人によって違います。
この年に受けた案件が続いたかどうかは、上に書いたとおりです。同じ年に何時間勉強していたかは1日6時間半勉強した年の記事に書いています。

