結論から言うと、給与明細は「もらう紙」ではなく「読む紙」でした。
わが家は13年間、毎月おたがいの給与明細を見せ合っています。始めたのは一緒に暮らし始めたころで、いまも続いています。
金額そのものは書きません。13年ぶん並べて分かった、明細の読み方だけを書きます。
※金額の実額、社名、担当者名は書いていません。
最初は、一緒に暮らし始めた年の話し合いだった
2013年7月17日、私はこう書いています。
「今の手取り金額を確認することも大切なので、ここ数ヶ月分の給与明細も持って帰るよ!!」
その2日後の記録がこれです。
「明細を作ってみると、現状がはっきりとするし、何よりももっと、上を目指そう!って思えてきて、良かったね」
「あまり、給与明細をじっくり見ることなんて、ないからねー」
13年前の私も、それまで明細をじっくり見たことがありませんでした。
もらって、金額だけ確認して、しまう。たぶん多くの人がそうだと思います。並べて見たのは、このときが初めてでした。
💡 体重計に近いと思っています。毎日乗っている人は、増えた理由が説明できる。たまにしか乗らないと、数字だけ見て驚いて終わります。明細も同じでした。
手取りは、同じ年でも大きく動く
2014年1月と、同じ年の5月。私の手取りは4割ほど違いました。
理由は残業です。
額面より先に、残業の有無が手取りを動かします。
これは、並べて見ないと気づきません。1か月だけ見ていると「今月は少なかった」で終わる。12か月並べると、季節の波が見えます。
2016年10月には、こう書いていました。
「先月は若干残業が多かったのか、手取りはわりと多かった!!笑」
多い月を基準に生活を組むと、少ない月で足りなくなる。うちが毎月見せ合っていた理由は、たぶんここにありました。
明細と、振り込まれた額が違った日
2017年8月25日の記録です。
「なぜだか、、、昨日の給与明細より、多く振り込まれているという謎…」
明細の金額と、口座に入った金額が合いませんでした。
多いぶんには困らない、と思ってしまいがちです。ただ、合わないという事実自体は確認したほうがいい。あとで調整されることもあります。
明細を見る習慣がなければ、この差には気づいていません。振込額しか見ていない人は、そもそも比べる相手を持っていないからです。
扶養に入れるとき、条件を確認していませんでした
見比べていたのに、防げなかったことがあります。
2013年9月に妻を扶養に入れました。そして11月5日、妻からこう来ます。
「たぶん103万こしてるねー」
その年の収入が、扶養の条件を超えていました。
私の返事はこうです。
「ががーん」
「いずれにしても、今年の何処かのタイミングで働くので、ダメはダメっだったかもね」
その日のうちに、扶養から外す手続きをしています。入れる手続きと、外す手続きを、2か月のあいだに両方やりました。
同じ日、妻はこう書いています。
「扶養に入る時に(条件を)確認しとけばよかったな ごめんね」
謝ってもらう話ではありません。条件を確かめずに手続きをしたのは私も同じです。明細は毎月見ていたのに、その手続きが正しいかどうかは、明細には出てこないことを分かっていませんでした。
※扶養の条件と基準額は制度改正で変わります。当時の数字をそのまま今に当てはめることはできません。実際の判断は勤務先と税務署に確認してください。
💡 定期券の区間に似ています。毎日使っていても、区間が合っているかは券面を見ないと分からない。使えているうちは、間違いに気づきません。
増えて見える月は、増えていません
明細を見比べていて、いちばん間違えやすかったのがここです。
2013年12月25日、私はこう書いています。
「おれは、定期代が入ったので、(多めに)入金されていたー」
「使わないように、きをつけよー」
定期代が給与に混ざって振り込まれる月がありました。
3年後の2016年12月21日にも、同じことを書いています。
「定期代と固定資産税分、現金で確保しておかねば!!」
「(振込額が)あるのであぶない!!笑」
自分で「あぶない」と書いている。振り込まれた額をその月の収入として見ると、多い月に見えます。実際には、そのうちいくらかは先に出ていく前提のお金でした。
明細を見るときに私が最初に覚えたのは、振込額を信用しないことでした。
💡 財布に入っている現金と同じです。預かっているお金も、財布の中では同じ顔をしている。分けて置かないと、使ってしまいます。
明細を、開けないまま置いていた月もあります
13年続いた習慣ですが、完璧ではありません。
2014年6月13日、妻からこう来ています。
「明細もろたのに…開けるの忘れとった!笑」
受け取って、開けていない月がありました。
続いたのは、見せ合う相手がいたからです。ただ、見せ合う相手がいても、こういう月はあります。
そのときに責めなかったのが、たぶんよかった。開けなかった月を責めていたら、そのうち渡さなくなっていたと思います。
💡 家計簿に似ています。1か月つけ忘れたところで、やめる理由にはならない。やめる理由になるのは、つけ忘れた自分を責めたときです。
賞与は、2つの評価で決まっていた
2014年6月3日、家族の勤め先の話です。
「今回のボーナスの事業部査定が出て… D評価やって!!!笑」
そのあとに、こう続きます。
「ボーナスは数字のみ!らしい! 車の台数は目標達成してるからそこだけが評価されて、数字がいってないからだってさー!」
個人の達成と、部門の数字が別だった、ということです。
自分の目標を達成しても、部門の数字が届かなければ査定は下がる。逆もあります。ここを知らないと、結果だけ見て「頑張ったのに」で終わってしまう。
私は自分の会社でも、同じ構造を見ています。賞与の話が出るたびに、何で決まるのかを聞くようになりました。
評価そのものがなくなった年があった
2020年10月8日の記録です。
「今年は評価なしの全員B評価」
同じ日、私はこう書いていました。
「ボーナスなしだな」
個人の努力が反映されない年が、実際にあります。
これは、どうしようもない部分です。ただ「今年はそういう年だ」と早めに分かっていれば、家計の組み方は変えられます。
うちはこのとき、ボーナスを前提にした支出を止めています。
時短勤務の残業代を、10年後に理解した
2024年10月18日、こんな行が残っています。
「今更だが残業代の謎がとけたよ。笑」
続きがこうです。
「時短勤務だから、通常の時の給与から時間分マイナスして支払われる仕組みのようだ。そして残業すると、そのマイナス分が減る仕組みだな」
「とすると、、残業しても残業代が入るわけではない。ただ通常働いてる時間分を補う仕組みや」
働いた時間が増えても、支給が増えるとは限らない、という理解です。
これは制度そのものの説明ではなく、その勤め先の明細を読んで出した結論です。ここが分かるまでに、何年もかかっています。
💡 携帯の料金プランに似ています。使った量が増えたら請求が増える、と思っていたら、無料分の中で動いていただけだった。明細を読まないと、その境目が見えません。
電子化されても、続けた
2017年1月30日の記録です。
「来月からの給与明細、いよいよ電子化されるらしい!」
紙で渡されなくなると、見なくなる人は増えると思います。うちは、そこで習慣を止めませんでした。
画面を開いて、数字を相手に伝える。やっていることは紙の頃と同じです。
13年続いた理由は、たぶん「見せる相手がいる」ことでした。ひとりだと、面倒な月に飛ばします。
家計そのものをどう回していたかは共働きの家計の記事に書きました。
使える形にしておきます
明細を読むときに、私が見ている順番です。
| 見る順番 | 理由 |
|---|---|
| 振込額と明細の合計が合っているか | 合わない月がある |
| 残業時間と手取りの動き | 額面より先に、ここが効く |
| 控除の欄が前月と変わっていないか | 保険料や住民税は年の途中で変わる |
| 賞与が何で決まるか | 個人の評価と部門の数字は別のことがある |
| 12か月並べて見る | 1か月では波が見えない |
いちばん効いたのは5行目です。
1枚では読めないものが、12枚並べると読めます。私たちが13年続けているのは、たぶんそれだけの理由でした。
※この記事は、わが家のLINEに残っていた記録をもとにしています。金額の実額、社名、担当者名は書いていません。給与や賞与の制度は勤務先によって異なります。

