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結論から言うと、フリーランスの保険の話は、「何が起きたときにお金が出ていくのか」を先に分けないと、選びようがありませんでした。
先に立場を書きます。私は保険の専門家ではありません。そして合同会社を作った側であって、フリーランスでもない。運営元が出している会計ソフトのほうは使っていますが、この記事で挙げる補償のサービスは使っていません。
書けるのは、印刷会社で18年、トラブルの後始末をする側にいた人間から見て、あの費用は誰が払っていたのか。それだけです。
刷り直しの連絡は、だいたい夕方に来ました
2017年11月10日、私はこう書いています。
「飲み会なのに、刷り直しトラブルを抱えるという始末…涙」
刷り直しです。刷ったものが使えなくなって、もう一度刷る。その手配をしていました。
同じ年の6月15日には、こう書いている。
「大トラブル発生でまだ会社でれず」
夫婦のやりとりを検索したら、私が「トラブル」と書いた回数は、2017年だけで11件でした。「クレーム」は12件。「検品」は7件。私がいたのは、そういう現場です。
生産管理という仕事は、ものが予定どおりに出ていくように段取りする仕事です。裏を返すと、予定どおりに出なかったときに動く仕事でもある。
あの費用は、私が払っていませんでした
刷り直しになると、紙代も、機械を回す時間も、運ぶ費用も、もう一度かかります。金額は書きません。ただ、個人の月給で吸収できる額ではない案件も、当然ありました。
そのお金を出していたのは、会社です。私ではない。
私は謝りに行き、段取りを組み直し、遅くまで残った。出ていったお金のほうは、一度も自分の口座から出ていません。
18年、それが当たり前でした。当たり前すぎて、考えたこともなかった。
💡 会社の看板は、傘に近いと思っています。差してもらっている間は、雨が降っていること自体に気づきません。外に出て、はじめて濡れます。
2026年に会社を辞めて、いまは自分で作った会社で仕事を受けています。同じことが起きたとき、次は誰が払うのか。その順番で調べ直しました。
何が起きたときの話なのか、を分けて見る
調べていて、いちばん整理になったのがここです。「フリーランスの保険」とひとくくりにされているものは、起きる事故の種類で分かれていました。
| 起きること | 具体例 |
|---|---|
| 業務遂行中の事故 | 訪問先で機材を倒した。人にケガをさせた |
| 仕事の結果による事故 | 納めたものが原因で、相手に損害が出た |
| 受託財物の事故 | 預かった機材やデータを壊した、なくした |
| 業務過誤 | 情報漏洩、著作権侵害、納品物の欠陥、納期の遅れ |
私の現場に当てはめると、刷り直しは4段目です。物を壊したわけでも、人にケガをさせたわけでもない。仕事の中身がずれていた、という種類の損害でした。
そして調べた範囲では、この4段目が、無料の枠から外れていることが多い。
「保険」と言われて出てくるものは、同じではない
もう1つ、混ざりやすいものがありました。賠償と、所得補償です。
| 種類 | お金が出る場面 |
|---|---|
| 賠償責任の補償 | 自分が誰かに損害を与えて、請求されたとき |
| 所得補償 | 自分がケガや病気で働けなくなって、収入が止まったとき |
向きが逆です。前者は外に払うお金、後者は入ってこないお金。同じ「保険」という言葉でも、備えている中身が違います。
会社員のときは、どちらも会社の側にありました。賠償は会社が負う。働けない期間は、有給と傷病手当がある。辞めると、両方が自分の側に移ります。
私が調べた範囲での、無料と有料の境目
ここからは、私が使っていないサービスの話です。同じ運営元の会計ソフトは決算に使っていますが、これから書く補償のほうは使っていません。公式サイトに書かれている内容として書きます。
フリーランス向けに損害賠償の補償を出しているものの1つが、FREENANCE(フリーナンス)です。運営はfreee。会員登録が無料で、その時点で付く補償と、有料プランで付く補償が分かれていました。
| 補償の対象 | 1事故あたり |
|---|---|
| 業務遂行中の事故 | 5,000万円 |
| 仕事の結果(PL責任) | 5,000万円 |
| 受託財物(無料の枠) | 100万円 |
| 受託財物(有料プラン) | 500万円 |
| 業務過誤(有料プラン) | 500万円 |
引受は損害保険ジャパン株式会社と記載されています。業務遂行中の補償には、自己負担額20万円という記載もありました。
有料プランは月額490円と980円の2段階。年払いの表記で、年間5,880円と11,760円と書かれています。
私が刷り直しで見ていた種類の損害は、無料の枠には入っていませんでした。ここは、自分の現場に当てはめてみないと分からない部分だと思います。
💡 定食と単品の関係に近いと感じました。無料の枠は、いちばん頼まれやすいおかずが載っている定食です。自分がよく食べるおかずが載っているかどうかは、品書きを開かないと分かりません。
選ぶなら、私はここを見ます
比較サイトのような順位づけはしません。どれが良いかは、何を受けている人かで変わるからです。
| 見ること | 理由 |
|---|---|
| 自分の仕事で起きうる事故が、どの段に入るか | 4種類のどれかで、無料か有料かが変わる |
| 自己負担額(免責)がいくらか | そこまでは自分で払う。小さな事故だと出ない場合がある |
| 補償されないケースがどこに書いてあるか | 本文ではなく別紙のPDFにあることがある |
| 引受の保険会社がどこか | サービス提供元と、保険を引き受ける会社は別のことがある |
| 年額でいくらか | 月額表示だと小さく見える。12倍して見る |
私自身、月額490円という表記を見たとき、年間5,880円という数字を出すまでは、判断がついていませんでした。
具体的な選択肢を1つ挙げると
FREENANCEには、補償のほかに、屋号やペンネームで開ける収納代行用の口座と、請求書を早く資金化する即日払いがあります。
即日払いは、2社間ファクタリングの形式と書かれています。借入ではないため信用情報機関への照会や登録はない、という記載もありました。手数料は請求書額面の3%から10%。
入金まで最短5分という記載もありますが、注記つきでした。16時半までに承認された場合は当日中、それを過ぎた総合振込は翌日処理。申し込み内容によっては翌営業日以降になる場合もある、と書かれています。
この手数料をどう見るかは、資金繰りの状況によって変わります。私は判断できません。
口座については、名義の末尾に「/フリーユーザー」が付くという記載がありました。2026年3月26日以降に会員登録した場合。屋号を使いたい人には、事前に見ておく部分だと思います。
※記載内容はいずれも公式サイト(2026年8月31日確認)によります。条件は変わることがあるので、申し込む前にご自身で確認してください。
この記事が向かない人
- 会社に雇われていて、賠償の責任が会社側にある
- すでに業務用の賠償責任保険に入っている
- 保険料の具体的な金額の比較を探している
3つ目は、この記事では出せません。保険料は年齢や仕事の内容で変わるので、公式サイトに出ている例示をそのまま並べても、参考になりません。
そして繰り返しますが、私は保険の専門家ではありませんし、ここに挙げた補償のサービスも使っていません。書いたのは公式サイトに記載がある内容と、印刷会社にいた18年の記録だけです。加入するかどうかの判断は、約款と、必要であれば専門家に確認してください。
最後に
2017年の私は、刷り直しの手配をしながら、その費用を一度も自分ごととして見ていませんでした。会社が払っていた。
いま同じことが起きたら、請求書はこちらに来ます。変わったのは仕事の中身ではなく、誰が払うかという一点でした。
会社を辞めるまでの順番については18年勤めた会社を辞めるまでの順番に、会社にいながら自分で案件を取っていたころの話は副業の準備をしていた年の記事に書きました。
無料の枠がどこまでかは、登録しなくても公式サイトで読めます。読んでから決めても遅くありません。
※この記事は、私自身の2017年から2026年の記録と、公開情報をもとにしています。FREENANCEに関する記載は、同サービス公式サイト(2026年8月31日確認)によります。勤務先の社名、取引先名、担当者名は書いていません。補償の適否は契約と個々の状況によって変わります。私は保険の販売や助言をする立場にありません。

