結論から言うと、水につかった翌年に、住民税が安くなりました。
2017年10月、住んでいた家が床上浸水しました。そのとき私が動いた順番と、半年後に何が起きたかを書きます。
制度の部分は公的な資料を確認しました。体験の部分は、LINEに残っていた記録のままです。
※金額、社名、被害の詳細、家族の健康に関することは書いていません。
2017年10月、床上浸水した
10月20日、私はこう書いていました。
「台風の影響で朝から大雨予報や」
そして25日、家が浸水します。
このとき私は、何をすればいいか分かっていませんでした。
片づけと乾かすことで頭がいっぱいで、書類の話は出てきません。困っているときに手続きの順番を考えるのは、なかなか難しい。
💡 財布を落としたときに似ています。探すことに時間を使って、届け出は後回しになる。あとから振り返ると、届け出のほうが先に動かすべきものでした。
翌日には、罹災証明の話が出ている
10月26日、私はこう書いています。
「そーしたら、明日には罹災証明もらえるらしい」
被害の翌日に、証明書の話にたどり着いています。
罹災証明書は、市区町村が被害の程度を証明するものです。あとから出てくる手続きの、ほとんどがこれを前提にしていました。
もらいに行くには、被害の状況が分かるものが要ります。片づける前に写真を撮っておくかどうかで、ここが変わる。私はこの順番を、後になって知りました。
見積書と報告書を、先に言われた
10月28日の記録です。
「床、濡れた食品貯蔵庫、引戸は見積もりと報告書取ってくれって」
直す前に、いくらかかるかの書類を作れという話でした。
修理してから請求するのではなく、修理の見積もりを先に出す。設備についても、同じことをやっています。
10月30日。
「電話して、室外機の見積もりもらうわー」
「後日郵送で、見積書が届くらしい」
見積書が郵送で届くまでの日数も、あとの手続きに効きます。急いでいるときに、一番待たされるのがここでした。
保険の対象にならないものが、ありました
被害を受けたもの全部が、どこかで拾えるわけではありません。
10月24日、妻から自転車について聞かれています。
「保険対象なるかな、、」
私の返事はこうでした。
「あかんらしいぞ…」
対象外だと言われています。
翌日、私は自転車を洗っています。それでもだめでした。チェーンの部分がやられていて、もう乗れる状態ではありませんでした。
保険で拾えず、控除の対象にもならないものは、そのまま自分の負担になります。領収書を残しても、残した先が用意されていないものがある。
このとき私は「困ったものは全部どこかで拾える」と思っていました。実際には、拾える箱がいくつかあって、どの箱にも入らないものが残ります。
💡 保証書の付いていない買い物に似ています。壊れたときに持っていく先が、そもそもない。買った時点では、そのことを考えていません。
業者を呼んだら、ブレーカーが落ちていただけでした
浸水の翌日、お湯が出なくなりました。
10月24日、私はこう書いています。
「給湯器は個人所有なので、こちらからの連絡が必要らしい」
「明日業者頼んだ!!」
その日は銭湯を探しました。そして翌25日。
「あっさり、給湯器直りました」
「ブレーカー落ちて頂けっぽい」
ブレーカーが落ちていただけでした。それでも出張の費用は発生しています。
「やば」「金かかった」
同じ日、私はそう書いています。
自分で確かめられる範囲を確かめる前に、業者を呼びました。水に浸かったのだから壊れたに違いない、と決めつけていたのだと思います。混乱しているときほど、いちばん重い原因を先に想定します。
💡 パソコンが動かないときに似ています。修理に出す前に、電源ケーブルが抜けていないかを見る。分かっていても、慌てていると飛ばします。
会社にも、書類を出している
罹災証明は、市区町村に出すだけではありませんでした。
10月30日、妻からこう来ています。
「会社に提出する罹災証明もってくのわすれた」
11月6日、私も同じことをやっています。
「せっかく、週末に会社へ提出する、水害の書類作ったのに、罹災届け忘れて」
書類を作ったのに、提出を忘れています。
正直に書きますが、このときの私は同じ書類を何度も作り直していました。出す先が複数あるのに、それぞれ何が必要かを一覧にしていなかったからです。
翌年4月、住民税が安くなった
2018年4月24日の記録です。
「おれの住民税安なったのは、水害の控除だね!」
同じ日に、こうも書いています。
「おそらく、6月からやすくなるな!」
被害から半年後に、効果が数字で出ています。
住民税は前の年の所得に対してかかるので、結果が見えるのは翌年です。片づけているときには、こんな話は頭にありませんでした。
制度としては、雑損控除
国税庁の説明では、災害で資産に損害を受けたときの控除はこうなっています。
対象になる損害の原因は「震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害」など。控除額は、次のどちらか多いほうです。
| 計算のしかた | 式 |
|---|---|
| その1 | (損害金額+災害等関連支出の金額−保険金等の額)−(総所得金額等)×10% |
| その2 | (災害関連支出の金額−保険金等の額)−5万円 |
そして、こう書かれています。
「確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください」
領収書が要る、ということです。
損失が大きくてその年で引ききれない場合は、翌年以後3年間に繰り越せるとも書かれていました。
住民税のほうにも、同じ控除がある
住民税についても、大阪市の説明ではこうなっています。
「所得税または市民税・府民税の雑損控除の申告をすることにより、総所得金額などから一定の額の所得控除を受けることができる場合があります」
添付書類として、「り災証明書の写し」「被災状況が確認できる書類等(写真など)」「災害関連支出に係る請求書、領収書など」が挙げられていました。
💡 保険の請求に近い構造です。起きたことを証明する紙と、いくらかかったかを証明する紙の2種類が要る。片づけながらこの2つを残せるかどうかが、半年後に効きました。
2年後、対策を考えている
2019年10月11日、また似た台風が近づいた日の記録です。
「前回浸水した時の台風進路みてたけど、なんか似たような進路や」
「というか、浸水対策考えないといけない」
「災害グッズ必須や」
2年かかって、事前の対策を考えています。
1回目は起きてから動きました。2回目は、来る前に動いています。ここは進歩だと思っていますが、2年かかっているところは正直に書いておきます。
使える形にしておきます
次に同じことが起きたら、この順番でやります。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 片づける前に写真を撮る | 被害の状況が分かるものが、あとの手続きで要る |
| 罹災証明を最初に確認する | 多くの手続きが、これを前提にしている |
| 直す前に見積書をもらう | 修理してからでは書類が作れない |
| 領収書を全部残す | 控除の計算に、支出の証明が要る |
| 提出先を一覧にする | 市区町村、保険、勤務先で必要なものが違う |
| 効果が出るのは翌年と知っておく | 住民税は前年の所得にかかる |
いちばん効いたのは1行目だと思っています。
写真だけは、あとから撮れません。私はここを運任せにしていました。
住民税の仕組みそのものは退職後の住民税の記事にも書いています。
※この記事は、公的機関の資料と、わが家のLINEに残っていた記録をもとにしています。金額、社名、被害の詳細、家族の健康に関することは書いていません。制度は改正されることがあり、手続きは市区町村によって異なります。実際の適用は、税務署または市区町村にご確認ください。
※出典:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm)、大阪市「災害や盗難等により資産に損害を受けた場合の雑損控除の申告について」(https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000463934.html)。いずれも2026年8月26日に確認。

