2026年2月、ふるさと納税を5万円分しました。前の年は10万円。半分に減らしました。
会社に辞めますと伝えたのは、その3か月前の2025年11月。実際に辞めたのは2026年4月です。つまりこの寄付は、辞める2か月前にしています。
なぜ2月かというと、返礼品が暖房用の燃料だからです。自宅がログハウスで、ペレットストーブを使っている。愛媛県西予市の木質ペレットを、毎年同じところから頼んでいます。20kgが2袋で10,000円。5万円だと10袋です。
年末に駆け込みで頼むのではなく、必要になる月に頼む。それだけの理由でした。
ただ、この2月の時点で、私は困っていました。今年の自分の所得が、まったく読めなかったからです。
そもそも、ふるさと納税はどういう制度?
総務省は、こう説明しています。「ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)」
つまり、5万円を寄付すると、2,000円を引いた48,000円が、所得税と住民税から差し引かれます。手元から出ていくお金は5万円ですが、そのうち48,000円は本来払うはずだった税金に振り替わる形になります。実質の負担は2,000円。
総務省は例も出しています。「年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます」
ただし、ここに「一定の上限はあります」という但し書きが付きます。この上限が、この記事の中心。
ふるさと納税の上限は、いつの所得で決まる?
結論から言うと、寄付をした年の所得で決まります。
国税庁は「(ふるさと納税額 - 2,000円)を所得控除」として、寄附を行った年分の所得税から控除されると説明しています。住民税からの控除も、この寄付を起点に計算されます。
ここが、住民税と逆になっているところです。住民税は前の年の所得で決まるので、「去年の分を今年払う」形になります。でもふるさと納税の上限は、今年の所得で決まる。去年いくら稼いだかは、関係ありません。
会社を辞める年は、なぜ先に決めることになる?
上限が今年の所得で決まる以上、今年いくら稼ぐかを見積もらないと、金額を決められません。
会社員なら、これは簡単です。給与は毎年だいたい同じで、賞与も見当がつく。シミュレーターに去年と近い数字を入れれば、ほぼ合います。私も、辞める年までは何も考えずにそうしていました。
辞める年は、これが崩れます。
- 給与が何月分まで出るのか
- 退職金があるのか、いくらか
- 辞めたあとの収入が、いつから、いくら入るのか
私の場合、2月の時点で分かっていたのは「4月に辞める」ということだけでした。5月からの収入は、見込みしかない。
それでも、金額は決めなければなりませんでした。燃料が必要だったからです。
私は会社の後半9年、セールスプロモーション領域の企画と生産管理をやってきました。この状況は、その仕事に近いと感じました。受注数がまだ確定していないのに、先に資材を発注しなければならない。多く頼めば余る。少なければ足りない。今回は、少なめに倒しました。
| 会社員だった年 | 辞めた年 | |
|---|---|---|
| 上限の見積もり | 去年と近い数字を入れれば、ほぼ合う | 所得が読めない。見込みで決めるしかない |
| 決める時期 | 年末でも間に合う | 返礼品が要る月までに決めることになる |
| 手続き | ワンストップ特例が使える(5団体以内) | 確定申告で寄附金控除を申告する |
| 私が寄付した額 | 10万円 | 5万円 |
💡上限を超えた分は、自己負担になります
ふるさと納税は、上限までなら自己負担が2,000円で済む制度です。上限を超えた分は控除されず、そのまま自分の負担になります。迷ったときは少なめにしておくほうが安全です。私が10万円を5万円にしたのは、この理由。
会社を辞めたら、ワンストップ特例は使える?
使えなくなります。
ワンストップ特例の条件は、国税庁によると「確定申告が不要な給与所得者」で、かつ「ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り」です。
会社を辞めて事業を始めれば、確定申告が必要になります。その時点で、条件から外れる。会社員のあいだは書類を送るだけで終わっていた手続きが、確定申告で寄附金控除を申告する形に変わります。
※ただし、もともと不動産所得などがあって毎年確定申告をしている人には、この変化は起きない。私がそうでした。辞める前から確定申告をしていたので、ワンストップ特例は一度も使ったことがありません。
総務省の説明にもとづくと、2つの違いはこうなります。
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告が不要な給与所得者で、寄付先が5団体以内 | 制限なし |
| 所得税からの控除 | 行われない | その年の所得税から控除 |
| 住民税からの控除 | 全額が翌年度分から | 翌年度分から |
| 出すもの | 申請書を、寄付先の自治体ごとに提出 | 受領書を添えて、翌年3月15日までに確定申告 |
控除を受けるには、何をする?
結論から言うと、原則として翌年に確定申告をします。
総務省は「控除を受けるためには、原則として、ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行う必要があります」としています。期限は「ふるさと納税を行った翌年の3月15日まで」で、提出先は「住所地の所轄の税務署」です。
このとき必要になるのが、寄附の受領書です。総務省は「選んだ自治体にふるさと納税を行うと、確定申告に必要な寄附を証明する書類(受領書)が発行されますので、大切に保管してください」と書いています。
私の場合、KABU&ふるさと納税を通して申し込んでいるので、受領書は寄付先の自治体から後日届きます。届いたら、確定申告まで残しておくことになる。
※海外に住所を移す場合、確定申告の手続きがどうなるかは、私もまだ確認していません。私自身、2027年の申告を日本国外から行うことになります。同じ状況の方は、税務署か税理士に確認してください。
住民税の納付書が届いて、思ったこと
会社を辞めたあと、役所から住民税の納付書が1年分まとめて届きました。会社員のときは給与から引かれていたので、自分で払うのは初めて。
金額を見て最初に思ったのは、「来年はこれがだいぶ減るだろうな」ということでした。住民税は前の年の所得で決まる。2026年の所得は、前の年より明らかに少ない。だから2027年度の住民税は下がります。
そのあとに、もう一つ思いました。同じことが、ふるさと納税の上限にも起きる、と。
会社員のあいだ、限度額は「与えられる数字」でした。給与が決まっていて、そこから自動的に決まる。自分で動かせるものだとは思っていなかった。
いまは違います。今年いくら稼ぐかで、今年の上限が決まる。上限が、その年の自分の成績表になりました。
10万円が5万円になったのは、成績が落ちたということ。それは事実として受け止めています。
そのうえで、こう思いました。今年しっかり種をまいて、来年は「こんなに頼めるのか」と思えるようになろう、と。
ふるさと納税の枠を増やすために働く、というのは変な話に聞こえるかもしれません。でも私にとっては、月にいくら稼ぐという目標と、同じ種類のものです。具体的で、期限があって、結果が数字で出る。会社員のときは、こういう目標が出てこなかった。
辞める年に、確認しておくこと
最後に、私が今回つまずいた順に並べておきます。
- 上限は「今年の所得」で決まる。去年の数字で計算しない
- 辞める年は所得が読めない。少なめにしておくほうが安全。超えた分は自己負担になる
- 返礼品に必要な時期があるなら、年末まで待てない。先に決めることになる
- 辞めて事業を始めるなら、ワンストップ特例は使えなくなる。確定申告で申告する
- もともと確定申告をしている人には、この変化は起きない
迷ったら、寄付する前に税理士か税務署に確認するのが確実です。私も2026年からは顧問税理士がいるので、次からはそうします。
この記事は、私が実際にどう判断したかの記録です。制度の部分は国税庁と総務省の公表内容にもとづいていますが、個別の上限額は人によって変わります。金額の判断は、ご自身の状況で行ってください。
💡 辞めた年に考えたのは、税金のことだけではありませんでした。辞めるまでの順番は昇進が決まった年に、会社を辞めた話に、住まいとお金の動かし方は持ち家か賃貸かで、私は悩みませんでしたに書いています。

