仕事・キャリア

29歳のとき、紙に16個書いた。13年後の答え合わせ

2013年11月12日、転職活動の最中に「自分は、どうしたいのか」という16項目を書いていました。13年後、その全文を自分で採点します。○×がついたのは7つ。残りの6つには、いまも何もつけられません。つけられない理由のほうが、いまの自分に効いています。

木の机に置かれたノートとペン、温かいコーヒー。自分の目標を書き出すイメージ

2013年11月12日の朝5時18分、私は妻に長いメッセージを送っています。

見出しは、これでした。

「自分は、どうしたいのか?(志望動機/転職理由/どんな人生を歩みたいか)」

そのあとに、16項目が並んでいます。当時29歳。転職活動の最中でした。

13年たちました。同じ紙を、いま自分で採点します。

この記事に書くのは、その16項目の全文と、13年後の結果。自己啓発の話ではありません。答え合わせの記録です。

※項目は当時書いた原文のままです。年収の数字も、当時のものです。

29歳が書いた、16項目

原文です。

  • 1. 楽しい老後を過ごしたい(元気でありたい。自由に使えるお金が充分に欲しい。人が来たくなる家に住みたい)
  • 2. オンとオフのメリハリをつけたい(平日はガッツリ働いて、週末は仕事を考えずに休む)
  • 3. 量より質の仕事をしたい(残業代で稼がない環境。自分の成果が数字につながる)
  • 4. どこでも「使える」人材になりたい
  • 5. 自分の仕事を心から誇れるものとしたい
  • 6. お金を稼ぎたい(現状:450万弱)
  • 7. 社会のためになることを実感できる仕事をしたい
  • 8. ビジネスをしたい
  • 9. 自分の魅力を買ってもらえる仕事をしたい(商材はじぶん!!)
  • 10. 自分が自信を持てるものを売りたい
  • 11. 営業がしたい
  • 12. 庭付きの家を鎌倉に構えたい
  • 13. 子どもには、海外留学・大学進学など、選択肢を増やしてあげたい
  • 14. カッコイイ父親になりたい(内面、外面全てにおいて)
  • 15. 仕事内外の人脈を増やしたい
  • 16. (将来的に)年齢を選ばずに、長く続けられる仕事に携わりたい

読み返して、まず思ったのはこれです。具体的なものと、そうでないものが混ざっている。

12番の「庭付きの家を鎌倉に」は、誰が読んでも同じ絵になります。5番の「心から誇れる仕事」は、そうではない。この差が、13年後にそのまま出ました。

💡 目標を書くときに「具体的に書け」と言われます。理由は、そのほうが叶うからではありません。あとで自分で採点できるからです。私の16項目は、採点できるものが7つ、できないものが6つ、残りが中間でした。採点できない項目は、13年たっても手つかずのままです。

2日後、面接でこれを使っている

書いた2日後の11月14日、私はこう送っています。

「次の目標なんですか?? って聞かれて、『楽しい老後を過ごしたい』って、答えて盛り上がってもーた!!!」

1番をそのまま面接で言っています。

いま読むと、志望動機として答えになっていません。それでも場は持った。紙に書いてあったから、迷わず出せたというだけの話だと思っています。

その月の転職活動については昇進試験と転職の面接を同じ月に受けた記事に書きました。

採点できたもの:7つ

順に見ます。

項目13年後
3. 残業代で稼がない環境◎。2017年10月、残業は月1.45時間
8. ビジネスをしたい◎。2025年10月30日、合同会社を設立
9. 商材はじぶん◎。2026年から自営
11. 営業がしたい×。18年、一度もやっていない
12. 庭付きの家を鎌倉に○。鎌倉に家を持ち、会社も鎌倉市に置いた
13. 子どもに選択肢を○。2026年、家族で二拠点にした
16. 年齢を選ばず長く続けられる仕事○。自営に切り替えた

3番が、いちばん意外でした。

「残業代で稼がない環境」は、転職して手に入れるつもりで書いています。実際には、転職せずに手に入った。2017年10月16日、私はこう書いています。

「きみ!! 今月、昨日までの残業時間、、1.45時間や!!」

月の半分で1.45時間。書いた4年後に、同じ会社の中で叶っていました。

そして11番は、はっきり×です。「営業がしたい」と書いておいて、18年間、生産管理と企画の仕事しかしていません。転職もしませんでした。

でも、いま自営でやっているのは、自分で仕事を取ってくることです。看板が変わっただけ。11番は形を変えて残っていたのかもしれません。そう言えば聞こえはいいですが、13年やらなかったのは事実です。

12番の「鎌倉」は、書く6日前に否定されていた

もうひとつ、面白かったものがあります。

「12. 庭付きの家を鎌倉に構えたい」

これを書く6日前の11月6日、妻からこう届いています。

「鎌倉のおうち…大好きすぎるし鎌倉に住みたい気持ちたくさんあるけれども…わたるくんの仕事も私の仕事場所も含めて、もっと都内に近いところに行くのがええのかもね」

通勤を考えたら、鎌倉ではない。そう言われた6日後に、私は「庭付きの家を鎌倉に」と書いています。

13年後どうなったか。鎌倉に家を持ちました。妻の言う「もっと都内に近いところ」ではなく、紙に書いたとおりの場所です。

そして2025年に会社を作るとき、登記した場所も鎌倉市でした。

住むほうも、会社のほうも鎌倉。6日前に一度否定された項目が、13年かけてそのまま通りました。

16項目を並べ直して思うのは、これです。いちばん具体的に書いた項目が、いちばんはっきり叶っている。

偶然かもしれません。ただ「庭付きの家を鎌倉に」は、誰が読んでも同じ絵になる書き方でした。採点できなかった6つとは、そこが違います。

残りの6つは、基準しだいで答えが変わった

正直に書きます。

  • 4. どこでも「使える」人材になりたい
  • 5. 自分の仕事を心から誇れるものとしたい
  • 7. 社会のためになることを実感できる仕事をしたい
  • 10. 自分が自信を持てるものを売りたい
  • 14. カッコイイ父親になりたい
  • 15. 仕事内外の人脈を増やしたい

この記事を書くにあたって、いま一度この6つに向き合いました。そして、採点しようとした瞬間に、答えが2つに割れました。

「そうなりたいと、いまも思えているか」で採点するなら、6つとも○です。

「実際になれているか」で採点するなら、6つとも△。

同じ項目に、基準を変えるだけで○と△が両方つきます。13年たった本人が採点しても、こうなる。

12番の「庭付きの家を鎌倉に」では、こうなりません。家が鎌倉にあるか、ないか。それだけです。

理由ははっきりしています。「どうなったら達成なのか」を、29歳の私が決めていないからです。

「どこでも使える人材」とは、何ができる状態か。「心から誇れる」とは、誰に対して誇るのか。決めていないので、13年後の私にも判断できません。

体重計に乗らずに「痩せたい」と言い続けるのに似ています。乗らない限り、痩せたかどうかは永遠に分かりません。

そして、基準がない項目は、行動にもつながっていませんでした。この13年で、4番や10番のために何かをやった記憶がありません。

○がつかなかったのではありません。○にも△にもなる状態のまま、13年置いてあった。それだけです。

6番だけ、扱いが違う

「6. お金を稼ぎたい(現状:450万弱)」

現状の数字だけ書いて、目標の数字を書いていません。原文は「年収○○○○万円稼ぐ!!」で、伏せ字ではなく、空欄のまま送っています。

ここに具体的な数字を入れなかったのは、当時の私が入れられなかったからだと思います。いくら欲しいのかを、自分で決めていなかった。

採点できない項目が6つあったのと、同じ理由です。

いま同じことをやるなら

使える形にしておきます。

やること理由
書いた日付を入れる13年後に「何歳の自分か」が分かる
数字か、状態か、日付を入れる入っていない項目は、13年後も採点できない
「そのために何をするか」を1行つける私の16項目のうち、これが付いていたのは5つだけ
捨てる欄を作る13年後に×がついても、失敗ではない。やらないと決めた記録になる
一度、人に送る私は妻に送っていたので、13年後にログとして残った

最後の1行が、この記事の全部かもしれません。

この16項目が残っているのは、私が手帳ではなく、妻へのメッセージとして送ったからです。手帳なら、とっくに捨てていました。

29歳の自分が書いたものを、42歳の自分が読み返して、7つに○×をつけ、6つに何もつけられなかった。つけられなかった6つのほうが、いまの自分に効いています。

※この記事の16項目は、2013年11月12日に私自身が書いた原文です。採点は私個人の判断であって、正解ではありません。年収の数字は当時のものです。

会社を辞めるまでの経緯は昇進が決まった年に会社を辞めた記事、辞めるまでにやった順番は18年勤めた会社を辞めるまでの記事にあります。

この記事の制作について

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