結論から言うと、査定を頼む前に決めておくことが3つあって、私はそのうち2つを決めずに動き出しました。
2022年に、8年半住んだマンションを売っています。仲介と買取を同時に動かして、決まったのは仲介でした。その過程は仲介と買取を同時に動かした記事に書いています。
この記事に書くのは、その手前の話です。どこに、どういう形で査定を頼むか。私が何を見落として、いま同じことをやるなら何を先に見るか。
※私は宅地建物取引業者ではありません。売った側の一人としての記録です。制度も相場も変わります。
私が査定を頼むときに見る、5つの軸
先に軸を出します。この5つで、頼み先も頼み方も決まります。
| 軸 | 見ること |
|---|---|
| 1. 期限 | いつまでに現金化するか。決まっているか、決まっていないか |
| 2. 同時に話す社数 | 1社に絞るか、複数に出すか |
| 3. 査定の形 | 机上で済むか、家に上がってもらうか |
| 4. 扱える相手か | そのエリア・築年数・種別を、その会社が扱っているか |
| 5. 自分の決心 | 売ると決めているか、まだ迷っているか |
私が決めずに動いたのは、1と5です。
軸1:期限があるかどうかで、全部が変わる
うちは期限がありました。次の家の引渡しが12月20日と決まっていた。
そこから逆算すると、9月には売り出していないと間に合いません。価格より先に、日付が効く状況でした。
8月29日、妻はこう書いています。
「早く売れた方が気が楽だしね!」
高く売ることより、早く決めることを先に置いた。ここは、あとから見ても正しかったと思っています。
期限がない人は、逆のことができます。相場を見ながら、納得する額が出るまで待てる。同じ「査定」でも、期限の有無で頼む相手が変わります。
💡 飛行機の便を取るのに似ています。日付が決まっている人と、いつでもいい人とでは、探し方がまるで違う。安い便を探せるのは、日付を動かせる人だけです。
軸2:1社に絞るか、複数に出すか
うちは複数に出しました。仲介と買取を同時に動かし、賃貸に出す案も並べています。
理由は単純で、1社の査定額だけ見ても、それが高いか安いかは分からない。これはリフォームの見積もりで先に学んでいました。最初の1社で決めかけて、妻に止められています。
ただ、複数に出すと連絡が増えます。電話も来る。そこを面倒だと感じる人はいると思います。
| 頼み方 | 良いところ | しんどいところ |
|---|---|---|
| 1社に絞る | やりとりが1本で済む | その額が妥当か判断できない |
| 複数に同時 | 幅が見える。担当者を比べられる | 連絡の本数が増える |
| 複数を順番に | 落ち着いて比べられる | 時間がかかる。期限がある人には向かない |
期限があるなら同時、ないなら順番。うちは期限があったので同時にしました。
軸3:机上か、訪問か
机上査定は、住所と広さと築年数から出すものです。訪問査定は、家に上がってもらう。
金額の精度は訪問のほうが上がります。ただ、こちらの時間と手間は、机上とまるで違います。
うちは内見を受ける側でもあったので、部屋を整える作業が発生した。妻と手紙まで用意しています。その話は別の記事に書きました。
相場だけ知りたい段階なら、机上で足ります。売ると決めてから、訪問に切り替えればいい。
💡 健康診断と精密検査の関係に近いと思っています。まず簡単なほうで当たりをつけて、必要になったら詳しく見る。最初から全部やると、時間が持ちません。
軸4:その会社が、自分の物件を扱えるか
ここは、私が当時ほとんど考えていなかったところです。
不動産会社には、得意な地域と種別があります。マンションを主に扱う会社と、戸建てや土地を扱う会社は違う。営業所のある地域から外れると、そもそも受けてもらえないこともあります。
査定を頼む前に、その会社が「自分の物件を扱っているか」を見る。これをやっていないと、返事が来ない理由が分からないまま待つことになります。
うちの場合は、地元の会社と大手の両方に声をかけていました。結果として決まったのは仲介でしたが、それは狙ったというより、動かした3本のうち1本が先に決まった、というだけです。
軸5:売ると決めているか
これが、いちばん効きました。
日付を並べます。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2022年4月16日 | 内見が入る |
| 2022年7月28日 | 「本格的に売却目指す」と書く |
| 2022年7月31日 | 専任媒介契約 |
4月に内見を受けているのに、売ると決めたのは7月末です。3か月半、決めないまま人を家に上げていました。
このときは手紙もなく、花も置いていない。何を聞かれるかも考えていなかった。売ると決めていないので、準備のしようがなかった、というのが正直なところです。
査定は、決めた人がやると意味を持ちます。決めていない段階でやると、数字だけ受け取って何も動きません。
💡 受けると決めていない試験の願書に似ています。出すだけなら出せる。ただ、勉強は始まりません。
私が使わなかったもの、使ったもの
正直に書きます。私は一括査定サイトを使っていません。
2022年の売却では、地元の会社と、買取業者からの連絡と、大手の仲介を並べました。一括査定サイトに登録して複数社から連絡が来る、という経験はしていない。だから使い勝手について書けることがありません。
いま同じことをやるなら、期限がある売却だったので、一括査定は選択肢に入れると思います。同時に複数社の幅が見えるのは、逆算しなければならない場面では効きます。
ただ、これは「やらなかったことについての推測」です。やった人の話ではありません。
頼み方は、4つの型に分かれます
私が見た範囲で、査定の頼み先は次の4つに整理できます。サービス名ではなく、型で選ぶほうが間違えません。
| 型 | 向いている場面 | 注意すること |
|---|---|---|
| 一括査定サイト | 期限があり、幅を一度に見たいとき | 連絡の本数が増える。対応エリアと物件種別を先に見る |
| 大手の仲介に直接 | 扱いの実績と、担当者の質を重く見るとき | 営業エリアが決まっている。外れると受けてもらえない |
| 地域の会社に直接 | その地域の事情を細かく見てほしいとき | 扱える種別が限られることがある |
| 買取業者 | 期限が厳しく、現金化を先に置きたいとき | 仲介より価格は下がりやすい。うちも声はかかったが選ばなかった |
この4つは、どれが優れているという話ではありません。軸1(期限)と軸5(決心)が決まれば、自然に絞られます。
この記事が向かない人
はっきり書いておきます。次の場合、この記事の内容は当てはまりません。
- 名義人が自分だけではない(相続・共有名義)
- 住宅ローンの残債が売値を上回りそう
- 今すぐ現金が要る
1つ目は、名義人全員の合意が要ります。2つ目は、通常の売却とは別の手続きの話になる。3つ目は、仲介だと時間がかかるので、そもそも前提が違います。
いずれも、私が通っていない道です。通っていない道について、私は書けません。専門家に当たってください。
私がもう一度売るなら、この順番でやります
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 売ると決める | 決めていないと、準備そのものが思いつかない |
| 2 | 期限を決める | 価格より先に、日付が効く |
| 3 | 机上査定で幅を見る | まず桁を知る。手間が軽い |
| 4 | 扱える会社かを確認する | エリアと種別が合わないと進まない |
| 5 | 訪問査定に切り替える | 決めてから、精度を上げる |
いちばん効くのは1行目です。
私は3か月半、決めないまま内見を受けていました。あの3か月半でやったことは、ほとんど後の役に立っていません。決めた7月末から、動きが変わっています。
そしてもうひとつ。売り出したあと、レインズに掲載されたのを確認したのは契約から6週間後でした。その間、私は一度も見ていません。頼んだあとも、自分で見るところは残ります。
※この記事は、わが家のLINEに残っていた2022年の記録をもとにしています。マンション名、社名、担当者名は書いていません。売却の進め方は物件・地域・時期によって変わります。判断の前に、宅地建物取引業者または専門家にご確認ください。

