結論から言うと、家を売るとき、私は仲介と買取を同時に動かしました。賃貸に出す案も、補助として並べた。
3本、同時に走らせた。
決まったのは仲介でした。8年半住んだマンションが、5,000万円で売れています。手取りは約4,850万円。
この記事に書くのは、その3か月で何をどう並べたか。私は不動産の専門家ではなく、売った側の一人です。
※金額は2022年のものです。相場も税制も変わります。私の一例として読んでください。
売ると決めたときの前提
2014年に2,930万円で買ったマンションです。8年半住みました。買ったときの話は住宅ローンと転職の順番の記事に書いています。
売ると決めたのは2022年の夏でした。次の家を建てる話が動いていて、引渡しが12月20日と決まっていた。期限がある売却です。
8月29日、私はこう書いています。
「おれらが考えなきゃなのは、この売れるかどうかの、メンタルから早期解放され、次回投資に向けた戦略に、気持ちを振り向けられるというメリットかな」
妻の返しは、これでした。
「早く売れた方が気が楽だしね!」
高く売ることより、早く決めることを先に置いています。ここは、あとから見ても正しかったと思っています。
価格を決める前に、税金を試算した
同じ8月29日のメモに、こう書いてあります。
「売却価格設定時は、3,000万控除と、低炭素減税の住宅ローン控除の試算必須だったな」
価格を決める前に、税金の計算を先にやる。
なぜかというと、売った金額がそのまま手元に残るわけではないからです。利益が出れば、税金がかかる。
💡 マイホームを売って利益(譲渡所得)が出たとき、最高3,000万円まで控除できる特例があります。所有期間の長短に関係なく使えるもので、いまの住まいだけでなく、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売った以前の住まいも対象です。ただし、売却前2年間にこの特例を受けていないこと、親族など特別な関係がある人への売却でないこと、といった条件があります。
出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
※適用の可否は個別の事情で変わります。税務署か税理士に確認してください。私はここを不動産会社とFPの両方に聞きました。
3本、同時に動かした
10月25日、私は自分の整理をこう書いています。
「売却か買取をベースに。補助的に、賃貸での広告出稿。」
並べたのは、この3つでした。
| 手段 | 位置づけ |
|---|---|
| 仲介での売却 | 基本線。時間はかかるが、価格はいちばん高くなりやすい |
| 買取 | 同時に進める。価格は下がるが、早く確定する |
| 賃貸に出す | 補助。決まる可能性は低いと見ていた |
「どれか一つを選んで、ダメなら次」ではありません。同時に走らせています。
理由は単純で、期限があったからです。12月20日に次の家の引渡しがある。順番に試していたら間に合いません。
就職活動で、1社ずつ受けて落ちてから次を受ける人はいません。同時に受けます。家の売却も、同じことができました。
買取は、いくつも声がかかった
10月21日、私はこう書いています。
「5,000万出せるかもらしい」
そして同じ日。
「買取りで4,950万以上出せる可能性あるので、現調させて欲しいと連絡あり」
10月24日には、査定業者が家に来ています。
買取の話は、複数から来ました。動かしていれば、来ます。
ただし、声がかかることと、決まることは別でした。
買取業者にも、種類がある
ここは、動かしてみて初めて分かったところです。
10月25日、私はこう整理しています。
- 自社で買い取って、自社で売り切る会社がある
- 買い取るだけの会社もある。その先はまた別の会社に相談が行く
- 仲介会社に買取業者を紹介してもらうと、中間マージンが発生する可能性がある
3つ目は、確認が要る点として書き留めていました。
同じ「買取」でも、こちらに残る金額は変わります。
※どこがどうという話ではありません。仕組みとして、そういう違いがあるという記録です。
仲介会社からのメールが、正直だった
10月25日、専任媒介契約を結んでいた仲介会社の担当者から、こう来ています。
「まだ良い結果を出せておらず申し訳ございません。早くご安心いただけますよう引き続きしっかり対応して参ります」
売れていない時期。
私が「買取と賃貸も検討したい」と伝えたことへの返信でした。止められませんでした。専任媒介であることを説明したうえで、こちらの検討を受け入れています。
このやりとりは、売る側として覚えておいてよかったと思っています。同時に動かすと言ったときに、どう返ってくるか。そこで相手の姿勢が出ます。
賃貸に出す案は、どう扱ったか
3本目の「賃貸」だけ、位置づけが違いました。
決まる可能性は低いと、最初から見ていた。それでも並べたのは、売れなかった場合の受け皿が要ったからです。
売れないまま次の家の引渡し日が来ると、住宅ローンが2本になります。そこだけは避けたい。
ただ、賃貸に切り替えると別の問題が出ます。住宅ローンは、自分が住むための融資。人に貸すなら、そのままでは通りません。ローンの種類を切り替える必要が出てきます。
10月17日、私はそこを不動産会社に質問しています。順番としては、「住宅ローン」から「不動産担保ローン」へ切り替える形。そう考えていました。
※ここは物件と金融機関ごとに扱いが違います。貸すつもりがあるなら、契約前に金融機関へ確認してください。私は「そうなったら、こうする」を用意しただけで、実行していません。
結果として、賃貸は使っていません。それでも、置いておいたこと自体に意味があったと思っています。
決まったのは、仲介だった
11月6日。
「もう一人の方に、アプローチしつつ、その方が購入されなかったら、5,000万でGoしよう」
そして、決まりました。
「手取り、4850万くらいかな」
5,000万円で売れて、手元に残ったのが約4,850万円。差の150万円が、仲介手数料などの費用です。
買取のほうは、まとまりませんでした。断ったのではありません。話が進まずに、消えた形です。
結果として、いちばん高い手段が残った。ただ、これは同時に動かしていたから残ったのであって、仲介一本で粘っていたら、期限に追われて買取へ流れていた可能性が高いと思っています。
いま同じことをやるなら
使える形にしておきます。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 期限を先に決める | 私は12月20日という引渡し日があった。期限がないと、同時に動かす理由も生まれない |
| 価格を決める前に、税金を試算する | 3,000万円の特別控除が使えるかどうかで、手元に残る額が変わる |
| 仲介・買取・賃貸を同時に並べる | 順番に試すと、期限に間に合わない |
| 買取業者の型を確認する | 自社完結か、その先があるか。中間マージンの有無を聞く |
| 「同時に動かします」と仲介会社に言う | 言ったときの返し方で、相手の姿勢が分かる |
いちばん効いたのは、3行目でした。
同時に動かすと、「売れなかったらどうしよう」がかなり減ります。買取という下限が見えているので、仲介の結果を落ち着いて待てる。
そして、下限が見えていたから、5,000万円という判断ができました。比べる相手がなければ、その数字が高いのか安いのかも分かりません。
※この記事の日付・金額・やりとりは、私自身の当時の記録です。不動産会社・買取業者の社名、担当者の名前、物件の所在地は書いていません。税制は変わります。私は勧める立場にありません。
住むための家をどう考えたかは持ち家か賃貸かの記事、収益物件を買ったときの話は1軒目の条件を紙に書いた記事にあります。

