結論から言うと、私は住宅ローンを先にして、転職をあとに回しました。あとに回した転職は、そのまま12年やらなかった。
2014年2月26日、私は妻にこう送っています。
「転職は、ローンを借りた後の方が、いいみたいー」
その3週間後、マンションの価格が決まる。6月に引っ越して、転職活動はそこで止まりました。
この記事に書くのは、住宅ローンと転職のどちらを先にするかで迷っていた私が、何をどう決めて、そのあと何が起きたか。制度の解説ではなく、当事者の記録です。
※金利や制度の数字は2014年当時のものです。いまとは違います。判断は必ず最新の情報でしてください。
私が迷っていた時期に、何が起きていたか
順番に書きます。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2013年11月 | 転職活動をしていた。同じ月に、他社の面接と、勤め先の昇進試験 |
| 2013年12月 | 昇進試験に合格 |
| 2014年1月25日 | 住宅ローンをざっくり試算した |
| 2014年2月26日 | 「転職は、ローンを借りた後の方がいい」と知る |
| 2014年3月4日 | 事前審査が通る |
| 2014年3月19日 | 2,930万円で価格が決まる |
| 2014年3月27日〜4月1日 | 本審査が通る |
| 2014年6月2日 | 引っ越し |
転職活動をしていたのは、家を買う4か月前です。その話は昇進試験と転職の面接を同じ月に受けた記事に書きました。
つまり私は、転職しようとしていた最中に、家を買うほうへ舵を切っています。
「ローンが先」と言われた理由
2014年2月26日、私は住宅ローンに詳しい人に話を聞いています。そのとき教わったことを、その日のうちに妻へ送っていました。
- 転職は、ローンを借りたあとのほうがいい
- 金融機関は、知名度ではなく金利で選ぶ
- 金利以外に、保証料・保険料・繰上げ返済手数料がある
- 家は家の値段以外に、登記費用、保証料、印紙、事務手数料、仲介手数料がかかる
理由の説明までは、私のメモに残っていません。残っているのは、そう言われて、私がそれに従ったという事実だけです。
💡 一般に、住宅ローンの審査では勤続年数や収入の安定性が見られると言われます。ただし、審査の基準は金融機関ごとに違い、公開もされていません。「転職すると必ず借りられない」「勤続◯年ないと通らない」といった断定は、私にはできません。借りる予定があるなら、その金融機関に直接聞くのがいちばん早いです。
順番を決めたあと、実際に動いたこと
決めてからは早かった。
1月25日、試算をしました。固定2%・35年・ボーナス払いなしで、3,000万円なら月99,379円、3,500万円なら月115,942円。この2パターンだけ出して、妻に送っています。
いま見ると、この試算がいちばん効いた。月10万円という数字が出た瞬間に、「いくらまでなら払えるか」が具体的になったからです。
3月4日、事前審査が通りました。そのあと価格の交渉に入り、3月19日に2,930万円で決まりました。
本審査は、2行に同時に出しています。片方は書類を窓口へ、片方は郵便で。3月27日と4月1日に、どちらも通りました。結局借りたのは、金利の低かったほうです。
頭金は750万円。財形貯蓄と自分の口座から200万円、残りは双方の親からの援助でした。半分以上は、自分で用意したお金ではありません。そこは書いておきます。
※金融機関名は書きません。2014年当時の金利や審査の話であり、いまの各社の評価にはならないからです。
誤算だったこと
ひとつ、思っていたより大きかったものがあります。
銀行の諸経費が、100万円弱ありました。
4月1日、正式審査が終わったあとに、私はこう書いています。
「銀行諸経費が100万円弱あるんだったね…」
物件価格とは別に、それだけかかる。登記費用、保証料、印紙、事務手数料、仲介手数料。2月26日に一度教わっていたのに、実際に請求の形で見るまで、規模を分かっていませんでした。
仲介手数料は985,950円。これも物件価格の外側です。
「2,930万円の家を買う」ではなく、「2,930万円+200万円ぐらいの現金が要る」でした。
変動か固定か、で迷ったこと
当時、聞く人はほぼ全員が変動を勧めました。3月3日に、私はこう書いています。
「ローンは、聞く人聞く人、変動を勧めるねー」
一方で、私が最初に試算したのは固定2%です。実際に提示された中でいちばん安い固定は1.79%でした。
どちらを選んだかは書きますが、それが正しかったとは書きません。2014年に組んだローンを、2022年に家を売って完済しています。8年半しか動かしていないので、35年の金利変動を、私は経験していないからです。
※変動と固定のどちらが有利かは、借りる時期・期間・その人の収入で変わります。私の一例を、そのまま当てはめないでください。
繰上げ返済について、当時言われたこと
3月22日、地方銀行に勤めている友人と会いました。そこで言われたことを、翌朝に書いています。
「住宅ローンは、個人が唯一低金利で借りられるローンなので、教育ローンなどの他のローンを借りるくらいなら、繰上げ返済はしない方がいい」
これは当時、私が聞いた話。同じ月に、妻の親からは「頭金は多めに出しなさい」と言われています。
逆のことを言われました。そして、どちらも間違ってはいません。前者は「安い金利の枠を残しておく」話。後者は「借入そのものを減らす」話。見ている場所が違うだけでした。
私は、頭金を多めに出すほうを選びました。理由は、そのほうが自分が落ち着いたからです。それ以上の理由はありません。
それで、転職はどうなったのか
やりませんでした。
2014年5月に昇進。A評価が付きました。同じ月、私は「少しはローンの足しになるね」と書いています。ローンがあるから昇給がうれしい、という順番になっていました。
そこから12年、私は同じ会社にいました。2020年に一度辞めると言って撤回。2025年に改めて伝えて、2026年4月に辞めました。その話は昇進が決まった年に会社を辞めた記事にあります。
家を買ったから辞められなかった、とは思っていません。実際、ローンを抱えたまま辞めていますし、その家は2022年に売っています。
ただ、「いま辞める理由」を考えなくてよくなった期間が、あの決断のあとに長く続いたのは事実です。月10万円の支払いと、昇給と、子どもができるかもしれないという話。判断を先送りする材料が、そろっていました。
同じところで迷っている方へ
私が言えるのは、この4つだけです。
| 決めること | 私の場合 |
|---|---|
| 順番 | ローンを先にして、転職をあとにした |
| 試算のタイミング | 物件を見る前に、月々の返済額を出した |
| 物件価格の外にかかるお金 | 諸経費と仲介手数料で、200万円ぐらい |
| 転職を「あとに回す」の意味 | そのまま12年、やらなかった |
最後のひとつが、いちばん書いておきたいことです。
「あとで」と決めたものは、あとでやるとは限りません。私は転職を先送りしたつもりでしたが、実際にはやらないほうへ舵を切っていた。ローンは35年で、転職の意思は35年もちませんでした。
家を買うかどうかは、住むところの話であると同時に、そのあと何年、いまの働き方を続けるかの話でもあります。私はそこを分けて考えていませんでした。
※この記事の日付・金額・やりとりは、私自身の当時の記録で確認したものです。金利、税制、審査の基準は、いずれも当時のものです。住宅ローン控除は居住した年によって内容が違います。入り口は国税庁「マイホームの取得等と所得税の税額控除」にまとまっているので、ご自分の年に当たるものを確認してください。金融機関の選定や返済計画については、私は助言できる立場にありません。
買った家をどう考えていたかは持ち家か賃貸かの記事に書いています。

