仕事・キャリア

知らぬ間に係長になっていました。昇進したその月に、辞めることを考え始めた

2023年3月15日、「知らぬ間にサラリーマンのゴール地点の係長になっていたらしい」と書いています。同じ日に「もうやり残したことはございません」、1か月後には「これ以上いる意味も特にない」。10年前の昇進では喜んでいました。何が変わったのかの記録です。

大きな窓のそばに置かれた机と観葉植物。役職がついたあとの職場のイメージ

2023年3月15日の夕方、私は妻にこう送っています。

「おれは、知らぬ間にサラリーマンのゴール地点の係長になっていたらしい」

妻の返しは「え!」「知らぬ間に」「そんなんある?」「笑」でした。

昇進しています。そして、そのことを自分でうまく把握していません。

その1か月後、私はこう書いています。

「もう、これ以上いる意味も特にないので」

ゴールに着いた月に、辞めることを考え始めていました。この記事は、そのときの記録です。

4か月前は、「ゴール」だと分かって言っていた

前の年の11月15日、私はこう送っています。

「おれは、来年頃にサラリーマン人生のゴールの係長試験か」

自分で「ゴール」と呼んでいます。そして「わからんが」「笑」と続けている。

妻の返しがこれです。

「そしてわたるくんはサラリーマン人生のゴール目指すんやな!笑」

二人とも笑っています。目指すもの、という言い方はしていますが、温度は低い。

私が試験について書いたのは、この一行だけでした。

「大変だ言うてた。資料の出し戻し多い試験だからな」

内容ではなく、手間の話です。同じ試験を受けた人から聞いた感想を、そのまま伝えている。

4か月後、「知らぬ間に」なっていた

そして2023年3月15日。

「知らぬ間にサラリーマンのゴール地点の係長になっていたらしい」

「らしい」と書いています。自分のことなのに、伝聞の形です。

さらに翌月、4月14日にもう一度出てきます。

「やっぱ、おれは係長らしい」

まだ「らしい」です。1か月たっても、確定した感じがない。

妻は「わたるくんの最終形態やな」「サラリーマン」と返しています。

💡 ここは、皮肉でも謙遜でもないと思っています。大きい会社の昇進は、多くの場合、通知として来ます。自分で申し込んで、結果が返ってくるものではない。だから「なっていたらしい」という書き方になる。自動改札を通ったら、いつのまにか料金が引かれていたのに近い感覚でした。

その日に書いた、もう一行

3月15日、私は続けてこう書いています。

「なので、もうサラリーマンとして、やり残したことはございません」

昇進した日に「やり残したことはない」と書いている。

読み返して、いちばん引っかかったのがここでした。達成の言葉ではありません。終わりの言葉です。

1か月後、はっきり言葉にしている

4月14日のやりとりが、この記事のいちばん奥です。

  • 私「気づいたら、サラリーマンのゴール来てもうた」
  • 私「不動産事業と、個人収益安定し始めたら、会社移ってもいいかもしれんな」
  • 私「もう、これ以上いる意味も特にないので」
  • 妻「確かに」

「辞める」ではなく「会社移ってもいい」と書いています。このときはまだ、転職の選択肢が残っていた。

そして条件を先につけています。「不動産事業と、個人収益が安定し始めたら」。

時期できごと
2022年11月「来年頃にゴールの係長試験か」
2023年3月15日「知らぬ間に…なっていたらしい」
2023年3月15日「やり残したことはございません」
2023年4月14日「もう、これ以上いる意味も特にない」
2023年5月収益物件の買い付け
2025年6月辞める覚悟が決まる
2026年4月退職

「収益が安定し始めたら」と書いた翌月に、物件を買っています。そのときの話は収益物件の1軒目の条件を紙に書いた記事に書きました。

10年前は、喜んでいた

比べられる記録があります。

2013年12月18日、私は妻にこう送っています。

「昇進試験うかってたよおー いろいろと、あっりがとおー」

絵文字が並んでいて、お礼まで書いています。29歳のときです。

同じ人間が、10年後には「なっていたらしい」と書いている。

 2013年12月2023年3月
書き方「うかってたよおー」「なっていたらしい」
感情お礼まで書いている伝聞
そのあと転職活動を続けた「これ以上いる意味も特にない」

同じ会社の、同じ昇進の仕組み。変わったのは、こちら側でした。

2013年のときは、外に出るつもりで動いていました。その最中の昇進。だから「まだ通用する」という確認になったのだと思います。その月の話は昇進試験と転職の面接を同じ月に受けた記事に書きました。

2023年は違います。確認するまでもなく、自分の位置が分かっていた。分かっている場所で1つ上がっても、確認にはなりません。

なぜ、うれしくなかったのか

自分でも不思議でした。18年勤めて、はじめて役職がついたときの話です。普通なら、うれしい場面でしょう。

いま並べて分かるのは、「上がった」と思っていなかったということです。

「ゴール」という言葉を、私は4か月前から使っています。ゴールは、着いたら終わるものです。上がる先ではなく、そこで終わる場所として最初から見ていた。

そう見ている場所に着いたら、次に出てくるのは「これ以上いる意味も特にない」になります。言葉のとおりです。

もうひとつ。昇進が、自分の選択ではなかったことも大きいと思っています。受けろと言われて受け、通知として結果が来る。そのとき「自分で選んだ」感覚がありません。

会社に受けろと言われた試験の話は会社の資格試験に落ちた記事にも書きました。

3年待ってから、辞めている

ここは、正直に書いておきます。

「これ以上いる意味も特にない」と書いてから、実際に辞めるまで3年かかっています。

やめなかった理由ははっきりしていて、条件を自分でつけていたからです。「不動産事業と、個人収益安定し始めたら」。その条件が満たされるまで、動かなかった。

2023年に物件を買い、2025年に会社を作り、同じ年に辞めますと伝えました。3年は、条件を満たすのにかかった時間です。

気持ちが決まってから3年、というのは長いようですが、5年前に何も決めずに辞めますと言って17日で撤回したことがあるので、私にはこのくらいが必要でした。その話は17日で撤回した記事にあります。

同じところにいる方へ

使える形にしておきます。

確かめること私の場合
その役職を、何と呼んでいるか「ゴール」と4か月前から呼んでいた。着いたら終わる場所
昇進が、自分の選択だったか選んでいない。受けろと言われて受けた
着いた日に、何と書いたか「やり残したことはございません」。達成ではなく終わりの言葉
次に考えたこと「会社移ってもいい」。このときはまだ転職の選択肢
動くための条件を、自分でつけたかつけた。満たすのに3年かかった

いちばん効いたのは、5行目でした。

「これ以上いる意味がない」と思った瞬間に辞めていたら、たぶんまた撤回しています。条件を先につけたことが、3年の猶予と、2度目に撤回しなかった理由の両方になりました。

そして1行目。自分がその役職を何と呼んでいるかは、けっこう正直です。「ゴール」と呼んでいたら、着いたら終わります。

もうひとつ、書いておきたいことがある。

役職がついたことで、やる仕事は変わりました。部下の話を聞く時間が増えて、自分で手を動かす時間が減った。

けれど、変わってほしかったところは変わりませんでした。29歳のときに紙に書いた16項目のうち、「量より質の仕事をしたい」「自分の仕事を心から誇れるものとしたい」は、係長になっても動いていません。その16項目の答え合わせは29歳のとき紙に16個書いた記事に書きました。

役職が上がることと、その16項目が進むことは、別の線。同じ線だと思っていたから、着いたときに何もなかったのだと思います。

※この記事の日付とやりとりは、私自身の当時の記録です。会社名・役職の等級・同僚の名前は書いていません。昇進の仕組みは会社によってまったく違います。私の一例です。

会社を辞めた経緯は昇進が決まった年に会社を辞めた記事にあります。

この記事の制作について

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